まさか高学歴の我が子がニートになるなんて!?現在社会問題と化している高学歴ニートについて考える
我が子をどのように育てるか、子育て中のママたちには大命題かもしれません。
そんな中、「高学歴ニート問題」という、非常に興味深い番組を見たので、今回はそれについて考えてみます。
高学歴ニートの特徴とは!?「就職してもやりがいがない」「やりたいことがない」「好きなことだけやっていたい」自分の将来が見えない若者たち
日本の景気が良くなってきたとはいえ、次世代を担う若者たちの間には多くの問題があるようです。
かなり前からニートや定職に就かないフリーターなどについては社会問題化していますが、現代ではそれに加えて、AIによる職種の変化、海外からの安い労働力の流入による雇用の変化などなど、若者を取り巻く労働環境は大きく変化しています。
このような中、先日放送されたMBSのバラエティ番組「林先生が驚く初耳学!」において、興味深い議論がありました。
問題として取り上げられたのは「高学歴ニート」。
高学歴ニートとは、東大・早稲田・慶應義塾大学など、日本でいわゆる名門・難関校と呼ばれる大学を卒業したにも関わらず、定職につかずにニート化している若者たちのこと。
そして、高学歴ニートの特徴にはいくつかありますが、主に以下の5つのことが当てはまると考えられます。
・プライドが高い

現代の日本の教育で大きく評価されるのは、いかに学校の成績が良いか、ということが主流です。
つまり、「テストで良い成績をとることができる=素晴らしいこと」であるということがこれまでの日本の悪習でした。
そのため、勉強さえできれば親や教師から褒められ、もてはやされてきたのです。
となると、必然的にその子は「自分はできる」「優秀だ」「「勉強ができない人間は自分より下」という見方をするようになります。
もちろん、勉強ができるということも素晴らしいことですし、良い成績を収めるために、人一倍の努力をしてきたことでしょう。
しかしそれ故に、「これまで苦労して勉強し、一流と言われる大学に入った自分」が、満員電車に揺られ、やりたくない仕事をこなし、上司や会社のいいなりに働く・・・など、できるはずがないと考えがちになります。
・仕事にするほどやりたいことがない
早い人は幼少期から、小学校・中学校・高校まで、勉強だけをしていれば褒められたし誰からも文句を言われなかったでしょう。
つまり、自分の将来のことをきちんと考えることができないまま、大人になった可能性があります。
熱中できるものを見つけられないまま勉強に追われ、気づけば就職が目の前。
しかし、突然「やりたいことは?」と尋ねられても戸惑うのは、当然のことなのかもしれません。
・親に経済的余裕がある
高学歴ニートの大きな特徴としては、甘え続けられる親がいるということも大きいと考えます。
小中高と国公立に通ったとしても、1000万円以上の教育費がかかると言われている中で、名門と呼ばれる学校に行くにためには、進学校に通ったり塾に行ったり、さらに膨大な教育費がかかります。
このような状況で、大学を卒業した後も働くことなく生活していられるのは、経済的な援助を継続的に受けることができるから。
つまり、親に経済的余裕があると考えられます。
・大きな挫折を経験したことがない
名門校に通うには、もちろん並大抵の努力ではいきません。
これは、高学歴に限ったことではないかもしれませんが、今の子供達や若い世代は手厚く守られているが故、大きな挫折を経験することが少なくなっています。
例えば、競争をすることが少なくなっているので、負けて悔しい経験をすることがありません。
大きな挫折を経験し、それを乗り越えたことがないため、失敗するのが怖いのです。
つまり、「高学歴を経てきた自分」が、社会に出て挫折を味わい失敗することなどあってはならないとかんがえてしまうのです。
・高学歴が邪魔をしている
「難関と言われる○○大学を卒業したから大手企業に入社できるはず。」
「名門と言われる○○大学を卒業したから中小企業に入社できない。」
「高学歴があるから、自分には人と違う何か大きなことができるはず。」
高学歴であるが故に、このようなプレッシャーに苛まれるのかもしれません。
これだけ頑張ってきたのだから、応援してくれた周囲の期待に応えなくては、あるいは、弱いところを見せられない、と、本人も気づかないうちに気構えてしまうということも考えられます。
「林修の初耳学」林先生と高学歴ニートの会話から垣間見えた現代日本教育の問題点

「仕事で時間を浪費するくらいなら好きなことをしていたい」
「自分がやりたいこと以外はやりたくない」
「いい大学に入ればいい人生が送れるはずなのに」
「親のすねをかじって何が悪い」
番組に出演していた高学歴ニートたちは口々にこのような主張をしていました。これに対して、林先生は独自の説得力ある切り口で次々に反論され、高学歴ニートたちを頷かせていたわけですが。。。
個人的に強く印象に残ったのは、やはり、現代教育のあり方そのものが、彼らの思考に影響を及ぼしているのではないかということでした。
「良い大学に入れば良い人生が送れる」→「しかし実際はそうではない」→「こんな現実を受け入れたくない」→「それならば好きなことだけやっていよう」→「親も何も言わないし」→「こうなったのも社会が悪いのだ、だから仕方がない」
まとめると、私には上記のように感じられました。
つまり、根本にあるのは「良い大学」がゴールであること。そのために、一生懸命勉強していたのですから、ある意味このような考えになるのは当然かもしれません。
しかし、林先生もおっしゃっていましたが、そんな時代はとっくの昔に終わっています。
さらに言えば、これからの教育はさらに大きく変化します。
例えば、2020年の教育改革の一環である英語教育を一つの例として挙げましょう。
これまで重要視されてきた文法や長文読解、マークシート式の評価の仕方はなくなります。(既になくなっているところもあるかもしれません。)
小学生から当たり前のように外国語活動でネイティブの先生とふれあい、高学年では国語や算数と並ぶ教科の1つ、つまり点数評価される対象としての英語が加わります。
中学校では、英語の授業は全て英語で行い、高校に至っては、英語での授業プラスディスカッションを行います。
これまで、日本人が最も苦手としてきた「自分の意見を建設的に述べること」「他者と議論を交わすこと」が重要視されるようになるのです。しかも、英語で。
正直、こんなこと私たち大人でも難しいですよね。
話が少しそれましたが、教科書の問題・テストの問題を解くことを重要視した勉強はもう求められていません。
はっきり言って、これらのことは将来的にAIがこなしてくれるでしょう。
大切なことは、「試験で良い点数を収めて良い大学に入ること」ではなく、その先のこと。
「大学に入り、何を学び、それをどう今後に活かしていきたいか」
「大学に入り、好きなことを見つけ、では、その好きなことをきちんと仕事にするためにはどうすれば良いのか」
これらをしっかり考えて実行していく力なのではないでしょうか。
我が子がニートにならないために私たち親が今からできることとは
高学歴ニートという言葉を用いて、高学歴ニートたちが矢面に立たされていますが、社会問題として注目されている現状ですが、そもそもこのような状況を作ったのは、大人です。
彼らはただ、言われた通りにしていただけ。
もちろん、そのよう中でも自分の考えを持ち、行動に移して成功している若者たちも多々いるわけですから、高学歴ニートを擁護するつもりはありません。
しかし、彼らばかりを批判するだけではなんの生産性もありません。
今、私たち大人が次世代のためにすべきことは、これ以上ニートを増やさないようにすること。
ご自身の子供がニートになったら・・・と考えたことはあるでしょうか。
私も二児の母ですが、我が子がニートにならない保証はありません。しかし、最も避けたいことのひとつです。
では、私たちが親として子供達にできることはなんでしょう。
我が子をニートにしないために親がするべき3か条
1将来の選択肢をたくさん見せる

子供に必要なことは、どれだけ経験をするかということ。
机上では学べないことがたくさんあります。
ただし、これは"どれだけキッザニアで職業体験を積むか"ということとは異なります。
確かに、キッザニアでも子供のイメージは膨らむし、楽しめますが、わざわざ足を運ばなくても普段の会話から選択肢を広げることは可能です。
例えば、我が子は娘が二人。女の子の多くがハマる「プリキュア」「アイカツ」などのアニメが大好きです。
これまでの私であれば、「こんなアニメなんて見ても何にもならないのに」と、半ば不満をもちつつ傍観していました。
が、せっかくなので、逆手にとって利用できるものは利用してみることに。
「アイカツ」(アイドル活動の略:アイドルを目指す少女たちのお話)の場合、ドレスやアクセサリー、シューズを選んでコーディネートしたりダンスをしてアイドルの頂点を目指します。
「すごいね、このドレスかわいいね。じゃあ、こんなアクセサリーはどう?もっと違うのないかな?アクセサリーをデザインしてみたら?」
「ドレスもね、どんな色や形にするか、素材は何を使うかとか、いろいろ考えてつくる”デザイナー”という仕事があるんだよ」
「ドレスやアクセサリーとか、いろいろなものを組み合わせてステージを作るコーディネーターって仕事もあるんだよ。」
「綺麗にお化粧や髪の毛を整える、メイクアップアーティストもあるんだよ。」
など、このような会話に展開することができるわけです。
ストーリーの中心はアイドルで、少女たちがアイドルを目指しますが、アイドルだけが職業ではなく、それを取り巻く様々な職業がある。
このことをイメージできることは大きな収穫だと考えます。
2具体的な仕事のイメージを想像させる
例えばお子さんが「将来はパン屋さんになりたい!」と言ったとします。
あなたなら何と返事をしますか?
「それはいいね、じゃあママ買いに行くからね」
「美味しいパン作れるようにならなきゃね。今度一緒に作ろうね」
おそらく、多くの親がこのように答えるのではないでしょうか。
しかし、これではおままごとの延長のようなもの。ただの一時的な希望で終わります。それに、会話も続きません。
では、どのように答えると良いのでしょう。
実際に我が家でもこのような会話が時折ありますが、そんな時に私はこう話します。
母「パン屋さん、今人気あるよね。でもさ、美味しいパンやさんってたくさんあるけど、どんなパンを作ったら○○ちゃんのパン屋さんにもお客さん来てくれるかな?」
子「うーん、安くしようかな?」
母「そうだね、安いパンは確かにお客さん喜ぶよね。でもさ、安いパン屋さんもいっぱいあるし、安いとたくさん売る必要があるし、安いパンは体にもあまり良くないかもね。」
子「そうか・・・じゃあ、いろいろ選べるパン!」
母「へえ!どういうこと?」
子「どんなパンを作って欲しいかお客さんが注文できたり、自分で作ることもできるパン!」
母「なるほどね〜、面白いかもね。」
こんな話をしていると、妹も会話に加わります。
妹「じゃあ、私はお花やさんとホットドックやさん」
姉「えー、2個もできるわけないよ〜。」
母「確かに、一人でたくさんするのは大変かもね。でも、一人のお仕事が一つだけじゃなくてもいいんだよ。できるんだったらたくさんお店があったほうが、お客さんもたくさん来てくれるしできることも増えるよ。」
姉「そうか!私はドーナツ屋さんもしようかな。それで、○○(妹)ちゃんのお店のホットドックを私のパン屋さんでも売ってあげる!」
母「そうだね!じゃあ、○○(姉)ちゃんのパンをホットドック屋さんでも売れるしね。」
姉妹「じゃあ・・・あれは?これは?」
と会話は途切れることなく続き、夢も膨らみます(笑)
ここで重要なのは、ビジネスとしてこれらが本当に成り立つのか、、、ではありませんよね。
大切なのは、子供達が仕事のイメージをどれだけすることができたか。
つまり、大人の言葉で要約すると・・・
・数ある店の中から自分を選んでもらうためには差別化をする必要がある
・ただ単に安いだけでは利益にならない
・どうすればお客様が喜んでくれるお店にできるか
・自分なりのアイデアを考えようとする
・ビジネスの形は1つだけに限らなくても良い
・販売窓口が増えるとそれだけ人の目に触れる機会が増え、利益にも繋がる
たった数分の母娘の会話ですが、ざっと挙げるだけでも6つのことを学びます。
実際は、子供は学んでいるつもりもなく、ただの会話だと考えているかもしれません。しかし、これでいいのです。
大切なのは、小さい頃からこのような会話が習慣化して、子供の思考として自然と定着すること。
また、成長とともに、具体的な数字を入れたり簡単な計算を組み込むなど、会話の内容もレベルアップすれば良いでしょう。
これができれば、将来的にビジネスマインドも自然と身についてきます。
3お金で愛情を示すのではなくスキンシップで愛情を伝える

「日本人男性は愛情表現が下手だ。」「もっと愛してるって言って欲しい!」と、不満を持っている女性は少なくないかもしれません。
いかし、愛情表現不足は日本人男性に限ったことではなく、女性も同様。
日本人は、愛情表現が乏しいのです。
これは、日本古来からの「以心伝心」「言わなくても通じる」「態度を読み取る」などの文化の影響もあるのでしょうか。
しかし、こと子育てに関して言えば、今の時代子供にはしっかり愛情を伝えましょう!
毎日会うたびにハグしてギュッとして、大好きだよ〜、を伝えましょう!
子供が小さい間は多くの親がしていると思います。しかし、子供が小学校、中学校と成長するにつれてどうでしょう?
子供自身も思春期や反抗期などの成長を経ていますので、特に娘を持つお父さんなどは嫌がられることもあるでしょうが、小さい頃から当たり前の習慣になっていれば問題ありません。
現に、欧米ではハグが当たり前ですよね?
スキンシップは、愛情を伝える上で最も重要なこと。
そして、きちんと愛されているという自信があれば、失敗を恐れることなく挑戦することも可能になります。
つまり、挑戦し、たとえ失敗したとしても揺るぎない精神的な安定があれば立ち直れるし、それが経験となり、たくさんの選択肢を持つことが可能になるのです。
いかがでしょうか。
もちろん、我が子をニートにしないためにできることは、実はまだまだあるのです。
しかし、まずは基本の3か条を実践してみましょう。
はっきり言って、現代社会は問題がたくさん。
子供達が社会に出る頃には、今よりさらに状況が大きく変わっている可能性があります。
東京オリンピック・大阪万博も控えています。
だからこそ、今のうちから”生き抜く力”をしっかりと育んでおきたいものです。