
確かに牛乳は完全栄養食である
*牛乳は子供の栄養補給に最適の飲み物である。
*牛乳にはカルシウムが豊富に含まれている。
牛乳が体に良い、というイメージは ここからきています。
多くの人が小さい頃から、
「背が高くなりたかったら牛乳を」
「ジュース飲むなら牛乳を」
と言われたでしょうし、日本のほとんどの学校給食では毎日牛乳が出ます。
娘が小学校に上がる時の給食説明会でも、
「給食はさまざまな食材でバランスよく考えられていますが、やはり日本人にはカルシウムが不足しがちです。特に成長期の大切な時期に牛乳を補うことは大切です。」
と、栄養士の方がおっしゃっていました。
確かに、牛乳に含まれる成分のみを見れば、
タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルが適度に含まれています。
また、日本人はカルシウムをはじめとしたミネラルが不足しがちですので(不足しているのはカルシウムだけではありませんが・・・)、ミネラルを補うということは必要です。
しかし、そのために必要なものは、牛乳ではありません。
いろんな【牛乳危険説】は嘘なのか!?
牛乳危険説、いろいろな情報があふれています。
危険だ危険だと騒がれているわりに、何がなぜ、どう危険なのかをきちんと理解している人は少ないかもしれません。
今一度、それぞれの角度から単なるデマなのかどうかを考えます。
その1「牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物だから人が飲むものではない」説
牛乳を飲むことが危険だという理由ががこれだけでなのあれば、全く何の根拠にもなりません。
確かに・・・生物によって必要な栄養素に多少の違いはあるかもしれませんが、それほど大きく変わりませんし、世界各国で古来より、牛やヤギの乳は人々の暮らしを支えてきました。
牛の赤ちゃんのものを横取りするのは申し訳ない気もしますが、人が飲むことはできると思います。
牛乳が危険であるという理由にするには、根拠に乏しいように感じます。
その2「牛乳でお腹を壊す【乳糖不耐症】」説
日本人は、欧米人と比べると腸の強さが異なるので、お腹を壊しやすい、と言われることがあります。
これは、日本人のみならずアジア系の民族に言えることですが、遺伝的に乳糖を分解する酵素が不足している人が多いから、という理由です。
いわゆる、【乳糖不耐症】です。
これは、乳製品の成分の大部分である糖である「乳糖」をうまく分解することができず、消化不良を起こすため、腹痛・下痢・便秘・軟便・腹部膨満感などの症状が起きることを言います。
もしかすると、心当たりがある方も多いかもしれません。
うちの主人などは、便を出すためにあえて牛乳を一気に飲み干すことがあります・・・
もちろん、決してオススメの方法ではありませんので、真似はしないでくださいね。
さて、少し脱線しましたが、【乳糖不耐症】は、人によって「身体に合っているか合っていないか」という話であり、牛乳が身体に害があるかどうか、という話とは少し論点がずれている気がします。
牛乳が乳糖不耐症を引き起こしているわけではなく、もともとの体質の問題なので、この説だけを考えると、牛乳が危険とは考えにくいですね。
もちろん、乳糖不耐症の人は、無理して牛乳(乳製品)を摂る必要はありません。カルシウムやミネラルは他の食べ物からでも十分得ることができるからです。
その3「牛乳で骨粗鬆症になる」説
カルシウムが豊富に含まれている牛乳を飲んで骨粗鬆症になるなんて、矛盾しているように思いますよね。
しかし、これには理由があります。
牛乳を飲むと、カルシウムが体内に入り、毛中のカルシウム濃度が急激に上昇します。
カルシウムが体内で代謝されるためには、マグネシウムというミネラルが必要です。しかし、牛乳にはマグネシウムはほとんど含まれていません。
そのため、身体のミネラルバランスが大きく崩れることが懸念されます。
余談ですが、日本人はミネラル不足が多いと言われています。もともと少ないミネラルをさらに代謝のために使うのですから、身体のバランスは崩れてしまいます。
加えて、牛乳には動物性タンパク質も多く含まれていますが、動物性タンパク質の過剰摂取は、血液を酸性に傾けます。
身体は、酸性の状態を中和して元に戻そうとするので、骨の中に蓄えてあるカルシウムを使用することがあります。
実はこれが、骨粗鬆症の初期段階でもあるのです。
よほど牛乳(乳製品)を大量に摂取しなくてはこれらの症状は起こらないかもしれませんが、毎日せっせと摂取するものではないように感じます。
牛乳が危険な最大の理由!大量に投与されるホルモン剤などの薬剤

牛乳が危険だという説が嘘かデマか本当か、についていくつかの説から考えてみました。
しかし、私が牛乳を含む乳製品が危険だと考えるのは、栄養的側面からのみではありません。
その最大の理由は、牛たちに投与されている大量の薬剤、不必要で安全性に大きな懸念のある飼料、なのです。
本来の姿とは真逆の環境で過ごす家畜たち

感染症予防のための薬剤は牛乳に移行する
牛に限ったことではありませんが、特に狭い場所で飼育されている日本の家畜たちは、1日の大半を家畜小屋で過ごします。
放牧され、牧草を食べながらのんびり過ごす、というのは外国や日本でも一部の地域だけで、現代の日本ではほとんどありません。
過密状態の家畜小屋に押し込められていては、例え動物といえどもストレスを抱えますし、当然、病気にも罹りやすくなります。
人間にとって、ストレスが様々な肉体的精神的疾患の要因であるように、動物にとっても決して例外ではありません。
そのため、病気にかかったり感染症が広がらないように、多量の抗生剤や抗菌剤などの薬剤が投与されます。
そして、これらの薬剤は牛の母乳である牛乳にも移行するのです。
不自然な餌を与えられる家畜

牛は、草食動物です。
しかし、実際に餌として与えられている飼料は、牧草だけではありません。
より大きく育てるため、より多くの牛乳を生産するために、小麦やとうもろこしなどの雑穀や肉骨粉を混ぜることもあるそうです。
身体は食べ物で作られる。
これは、人間においても動物においても変わりのない事実です。
本来食べるものではないものを与えられた動物の身体のメカニズムは、果たして良い方向へと働くのでしょうか。
さらには、飼料の中には遺伝子組み換えのものも多く含まれています。
確かに、遺伝子組み換えのものが直接にどのような影響を及ぼすのか、現段階では確固とした科学的根拠は乏しく、定かではありませんが、一説では発癌性を懸念する声も挙がっています。
疑わしきものを摂るか摂らないか、この判断は各個人によりますが、子供の場合、その責任は保護者に委ねられています。
本来の食べ物ではないものを与えられ、遺伝子組み換えされた作物を与えられている動物たち。
その動物から生産される牛乳。
果たして本当に、人間にとって良いものなのでしょうか。
より多くの牛乳を生産するために投与されるホルモン剤

牛乳は牛の母乳です。
私たち人間が母乳を出すためには、出産する必要がありますね。
出産し、赤ちゃんに授乳することでさらに母乳が出るようになる、ということはよく知られていることですが、牛も例外ではありません。
牛も、妊娠し、出産することで乳を出すようになります。
しかし、牛乳生産用に飼育されている牛が、我が子に乳を与えることはありません。
生まれてすぐ、赤ちゃん牛は母親から引き離され、人工ミルクを与えられます。
そして、乳は牛乳として生産されます。
さらに、人間としては、母牛に牛乳を生産し続けて貰う必要があるため、ホルモン剤を投与して牛乳が出続けるようにします。
つまり、常に妊娠している状態を作り出しているというわけです。
そして妊娠中、人間も含めた哺乳類は女性ホルモンの値が高くなりますが、その女性ホルモンは牛乳に移行します。
女性ホルモンが過剰になると、乳がん・卵巣癌・子宮がんなどの婦人科系疾患を引き起こすと言われており、さらには、前立腺癌など男性にも大きく影響します。
牛乳危険説がデマだという説は薬剤に言及していない

私たち人間が妊娠したら、食べ物や生活にこれまで以上に気を遣うようになります。
なぜなら、母親が食べたものはそのまま胎児へ影響するから。
そのため、病院に行くにしても、マッサージやアロマの施術を行うにしても、あらかじめ妊婦であるということを伝え、適切な対応を求めます。
また、産後の授乳期間においても同様で、母乳育児をしている場合は、母親が食べるものには引き続き注意が必要です。
母親が食べたものが、母乳へと移行するからです。
例えば、母親が病気になって薬を服用した時は、赤ちゃんに母乳を飲ませることを一時的に中止する、ということはよくあることです。
このように、母体が食べたもの、服用したものが胎児や母乳に影響を及ぼすということは周知の事実であり、例え動物であっても例外ではありません。
現在日本の市場で流通しているほとんどの牛乳は、薬剤・ホルモン剤など、成分表示には記載されていないものを多く含んでいるのです。
牛乳危険説でしばしば議論されていることは、カルシウムや骨粗鬆症問題が中心ですが、実際の問題はそこではないと考えます。
ホルモン剤や薬剤、そして近年では放射能汚染問題も挙がってきていますが、これこそが、牛乳が危険だという大きな理由なのです。
このような薬剤まみれの牛乳が毎日子供達の学校給食に出されること、完全栄養食だともてはやされて水代わりに飲もうとすること・・・
本当に私たちの食生活に牛乳が必要なのか、個人個人が考えなくてはなりません。
乳がん・子宮がんをはじめとした婦人科系疾患が増加の一途をたどる事実。
今や病気大国となってしまった日本の食生活の”あたりまえ”を、今一度見直す時期がきているのではないでしょうか。